MiCSについて

MiCSとは?

動植物の恒常性の維持や地球規模の諸課題の解決のために、微生物の重要性が無視できないものとなっています。

微生物サステイナビリティ研究センター(Microbiology Research Center for Sustainability: MiCS)は、地球環境と地球上の全生命と深く関わる微生物を対象として、基礎・応用分野をまたぐ先端研究を推進します。この先端研究と微生物に関する知の集約は、我々人類の微生物に対する理解を深化させ、微生物の制御と利用の新たな技術の創出を導き、地球規模の様々な課題の解決と持続可能な社会の構築を実現します。

また、国内外の研究者との学際融合研究にも積極的に取り組む本センターは、微生物学から見える俯瞰的な視野と国際性をもつ人材の育成にも貢献します。

センター長 挨拶

筑波大学 生命環境系 微生物サステイナビリティ研究センター[MiCS]

センター長 野村 暢彦

微生物それは目に見えないほど小さな生き物の総称である。しかし、地球上においてそのような小さな生き物である微生物のバイオマス(総量)は我々人間を含む動物の50倍以上であり、動物より優先する生き物である。そして微生物は地球上の様々な物質循環に関与しており、自然環境に深く関与している。水がきれいになるのも微生物たちのおかげである。また、我々人間の細胞数は約38兆個であるが、腸内にいる細菌の数は60兆個以上と、我々の細胞数より微生物の細胞数のほうが多いのである。そして、それらの腸内細菌は我々宿主人間の健康に深く関与している。我々人間は微生物との複合生命体(スーパーオーガニズム)である。それは、人間のみならず昆虫・鳥・魚など地球上のすべての動物も同様である。また、植物も根圏には多くの多様な微生物が存在し、その植生に深く関与している。このように微生物は地球上の動植物に密接に関わっており、よって、微生物は環境・食・健康に重要な鍵となる生き物なのである。微生物サステイナビリティ研究センターは、21世紀の環境・食・健康に貢献するため、それらに関わる微生物の制御あるいは利用を推進するために創設されたセンターである。基礎から応用まで、サイエンスからテクノロジーまでを専門にする微生物研究者の集団である。関連する学術コミュニティも、医学・理学・工学・農学・環境まで幅広く網羅している。私たちの研究が、産官学を問わずお役にたてたら幸いである。

組織図